京都五山 大文字送り火
16日の8時過ぎに家を出て大通りまで歩いた。大文字送り火は自宅の2階の物干し台に出ると、彼方の山に燃えるのがくっきりと見えるのであった。ほぼ2、30年前にもなろうか。
そうして家族とともに、逝きし人を送るために合掌するのが習いであった。他の都市ほど高層建築がニョキニョキと建つことなく、京都は住宅地域の規制が厳しかった頃のことである。けれども望景という点において今はすっかり変わってしまった。
ネットのお付き合いでいえば知人ということになるが、一人娘を亡くされた東京の方があり、せめてその方に大文字の送り火を写真に撮ってお届けしたいという想いもあった。
夜の往来は見物人のラッシュだった。手に手にカメラ、中にはケイタイをかざして写真を撮っているのが見える。交通整理のおまわりが「立ち止まらないで!」と声をからして叫ぶ。観光客が多いようだ。
大文字の送り火の歴史は古い。京都の送り火は松明を投げて虚空をいく霊を見送る風習から出たものである。また病気平癒、悪霊退散のご利益があるというも人気を呼ぶのだろう。
京都にならってか日本各地で大文字焼きという盆の行事がかなりあるのを知った。「三島夏まつり大文字焼き」は日本一の大きさを誇るもので、「甲斐いちのみや大文字焼き」も有名だそうだ。
もっとも古い説は平安中期、弘法大師空海が始めたものだという。
山麓にあった浄土寺が火災に遭った際、本尊の阿弥陀仏が光を放ちながら山上に飛び、火を免れた。 そこを弘法大師空海が耳にし、人の体を表す「大」を描いた。(都名所図会)
今日の画像は、大文字送り火の夜景で偶然撮った一枚である。デフォルメされているようなのが可笑しい。
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