野球 のーぼーる
阪神タイガースの優勝はマジック7となり星野監督胴上げのその日が愈愈近づいてきた。
なんといってもこれまでが永年ダメトラだったから、ファンならずとも今年の健闘には快哉を叫びたくなる。
ところでベースボールを野球という語に訳したのは正岡子規だという説があるが、どうもスポーツ界でははっきり認知されてはいないようだ。
ただ、彼が自分のことを野球と書いて「のーぼーる」と読ませたということは確かな資料として残っているらしい。
子規の本名は升(のぼる)といい、野球青年だったという。のぼるから「野のボール」すなわち「野球」となったと千葉にお住まいの朝川 渉さんに教えられた。
それは、明治23年3月16日の葉書で、子規は自分のことを「野球」と署名し、「のぼーる」と読ませた。同年4月には、手紙に次のような俳句を書いているという。
恋知らぬ 猫のふり也 球あそび 能球
恋を知らぬ猫のふりして、キャッチボールで遊んでいるのは、青年子規のプロフィールであろうか?
ここにある能球という署名もやはりのーぼーるのシャレであろう。まことにほほえましいエピソードではないか!
後年、病気であれほど苦しんだ彼にもこのような快活で愉快な日々があったことをしみじみと喜びたいと思う。
今日の画像は子規が描いた「玩具図」である。九月二日の署名があるのがうれしい。漱石に勝るとも劣らぬ美しい画像をつつしんでお借りする。
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