リフォーム大作戦
テレビの人気番組は世相の流れがあるようだ。最近は家のリフォームをのぞむ施主に建築家がどのように対応し住居を完成するかというリポートに人気が集まっている。現在週2本別のテレビ局でそれぞれ放映している。
平素あまりテレビを見ない私がこうした番組に興味を持つようになったのも、実際のところわが家で似たよううなことを始めたからである。木造家屋の水まわりが年数を経てガタが来たのだ。
台所、台所に隣接する居間、洗面所、風呂。これらがいつの間にか湿気を含んで床板がボコボコになり、どうにもやりかえねばならなくなった。それに住人の今後のためにバリアフリーでということになり、ちっぽけなリフォーム大作戦になったのだった。
私たちは国全体が物質的には貧しい時代に育ったからだろう。ものをやすやすと捨てるということが出来ない。今回さし当たって不要になったものを捨てることからはじめ、思い切らねばならなかった。
あるわあるわ、捨てなければならないものが山のように出て来た。二十年ちかく使用した2漕式洗濯機。冷蔵庫もほぼ同じ時期に買ったもの。電子レンジも旧いものながらまだ使用できる。残念ながらこれらも他のものと廃棄処分にしなければならない。
シンプルな旧式の家電だったからこそこんなに長持ちしたのだろう。とにかく、システムキッチン・リフォームが台所と居間とだけ一応出来上がった。バストイレはこれからだ。
決して高級品ではないが、なんとなく幸せな気分になってくる。それでも新しい家電は「10年もてばいいでしょう」と言い、店の人が運んで来た。
日本人の統計から見れば、人間の持ちは80年としてなかなかよく出来ていると思う。修繕も近代的な病院でなく、ぬくもりのある家の中で、そろそろとやってゆけばいい。台所に一輪の花でも活けておこう。
今日の画像は、大黒柱ならぬリフォーム柱に掛け花入れをかけ、庭に咲いたホンナミツバキをさしたもの。この花入れは短冊が春慶塗で花入れは渋草焼き。飛騨高山の特産品である。
主人の大先輩であり恩師でもあるK先生から何かの記念に頂戴したもの。K先生の奥様が好まれたと伺っていた。
やはり二十年ちかく私が仕舞い込んでいたものを、今回ここにお晴れさせていただいたのである。
K先生ご夫妻にあらためて感謝!
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