働きアリ と お大尽
「働きアリ」2割が働かず、北大・助手らが研究ーーこんな記事が目に飛び込んできた。
「働き者」とされながら、ほとんど働かない「働きアリ」がいるというのだ。その内容とは、昨年春から5カ月間、国内の森林などにいるカドフシアリ約30匹ずつの三つのコロニー(集団)を室内の人工の巣に移して観察した。
その結果、「巣の外にエサを採りに行く」「卵や女王アリをなめてきれいにする」「ごみを捨てる」などの仕事をほとんどしないアリが、どのコロニーにも約2割いたという。
ここまでなら人間さまの世界とあまり変わらない。たまたま昨日は衆議院選挙があって私も投票に出かけたこともあって、妙にこのアリの話が頭から離れなかった。
国民のために働くアリを選ぶのは、地味な働きアリの群集だ。その選んだアリは至れり尽くせりの高賃金で養うことになるのだが、果たして思うように働いて貰えるかどうか?
議会での出席簿を点検するわけでもなく、発言はゼロだというアリもある。親子、夫婦、兄弟、一族郎党、揃って働きアリの「のれん」を出す。こんなに美味しい場所はないのかもしれない。
しかし、自然界の働かないアリは約2割だというのは、立派なものである。しかも研究者は次の考察をしているのも興味深い。
働きの良いのを取り除くと、次に仕事熱心な層の労働量が若干増えたが、働かない層はやっぱり働かなかった。逆に仕事をしないのを除去すると、よく仕事をしていた数匹の労働量は若干、減った。最も働いている層の仕事は、幼虫の世話が大半だったという。
「働かないアリは一見、役に立たないようだが、コロニーにとっては意味があり、役立っている。働かないのは、年を取って働けないのかもしれない。」
こうした観察はなかなか面白いと思った。
それにひきかえ、人間の議員はいうならばお大尽の職分である。選挙民の殆どは営々と働き、中には失業の憂き目にも会い、それでも納税はきちんと払うといった多数のアリたちなのだ。
何よりも、原点であるものを忘れないでいただきたい。取るに足らない、そしてあまり働かない1匹のアリでしかない私は、小泉さんに期待しつつ、このように思った。
今日の画像は、茶庭の露地にある関守石。この石があればこちらは通れませんという指標になるのである。
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