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2003年12月26日 (金)

クリスマスのパン と シスター


 イブには毎年必ずパンを作って持ってきてくださる方がある。
カトリック修道院でシスターたちが作られる菓子パンだ。クルミやナッツなどの木の実が入っており、見かけよりも中身はずっといいので私は毎年心待ちにしている。

 ケーキ作りには第一人者と自他ともに認めていたシスターポーラは今アメリカに行って留守だとか。高校の学校長でありながらケーキ作りが得意というすこぶる魅力的な日本女性なのだ。彼女がいないのでで今年のパンは例年より品質が劣るのだという。

 友人であるシスターカーラが今日、プレゼントのパンを運んできてくださった。リフォームした居間のこたつに入ってもらい久々に語り合った。シスターは学校では経理担当の仕事をされ、そのほか茶道の指導もされている。

 いぜん拙宅に稽古にみえていた時期があった。修道院ではわからない世間のものを多少なりともお伝えしたのかもしれない。私の傾向として点前よりも水屋、取り合わせ、道具の見方、茶書についての語り合いなど…。お恥ずかしい指導であったが、むしろシスターから学んでいた自分を思う。

 来年4月の中宮寺での山吹茶会、お家元のお献茶、今日庵席、淡交会奈良支部席、そしてかたじけなくも私が一席釜をかけさせていただく。その添え釜ということに話が及んだ時、シスターは目を輝かせて言われた。
 「私はおてづだいに行きますよ!」

 足を痛められ、長く坐っていられないというシスター。
 無一物ということとは異なるけれども、自分のわがままから門人を持たない私にもこうした方々の多くの支えがあり、とにかく一会は進行しそうな気配である。
  
 ことしもクリスマスのプレゼントは修道院特製のパン!みかけよりも中身が美味しいのが嬉しい。

 そして更に私は、インターネットの恩恵を胸をあつくして思うのである。

 今日の画像は、寒牡丹。松庵茶会12月例会で撮影したもの。
 春牡丹には青い葉が豊かにあるが、寒牡丹には殆どない。そして古木を添えるのが慣わしとなっている。




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