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2004年2月17日 (火)

ほっとするニュース


 ホームレスに低額賃貸住宅 東京都などが2千室確保。
 先ほど、こういうニュース記事が目に入った。寒さがようやく遠のいたこの頃、遅すぎる感はあるもののほっとするニュースである。

 最近明るい記事はなかなかお目にかからない。芸能界ではくっついたり離れたりの人間模様が面白おかしく取りざたされるが、こうしたニュースもマンネリ化し、ほな、なんなりとええようににやっとくれやす、ということになる。

 それからするとホームレスに住宅をという今回の東京都の決定には「よくやらはりましたなぁ!」と座布団なんまいか投げたくなるのだ。

 なんでも、4月から都営住宅や借り上げた民間アパートを低額で貸し出すために、NPO法人(特定非営利活動法人)などに事業を委託し、就労相談にも乗るという。その予算約6億円。

対象になるのは公園でテント生活をしている人で、都と区が2000室を確保し、家賃は月額3000円前後という。税金の使い道もこうした実績があれば納税者もなっとくするだろう。

 京都市も別ではない。阪急の地下街を歩くと多くのホームレスが寝転んでいる姿を目にする。老人だけでなく若者も女性も…。
 繁華街にいれば残飯がもらえるから離れないのだと聞く。そして中には精神病院や非人間的で苦痛をもたらす居場所よりも、自由を求めてたどり着いたのがホームレスだったとも聞いた。

 けれども、いまだ彼らに住宅をという政策はない。私はぜひとも東京都にならって実施して貰いたいと思う。誰しも人間である以上そうした権利はあるはずなのだ。

 人生の最後の住宅といえば墓になるが、ひとは一生涯安住の地を望んでやまない。感覚がなくなった死者でなくとも、今生きている者がせめて雨露をしのぐ場所を望んでも、いいのではなかろうか。

 今日の画像は漱石画、海のみえる墓の絵である。漱石は自分のイニシャルを大きな岩石に書いている。





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