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2004年6月23日 (水)

白夜のフィンランドから


 北欧のフィンランドから1通のメールが舞い込んだ。フィンランド人男性と結婚している日本人妻のように自己紹介をいただいた。

「偶然、わびすけさまのHPを拝見しましたが、宝物を見つけたような心境です。日本の素敵な様子が写真で拝見出来て、見ていると気持ちがすーっと落ち着いてまるで茶室にいるような気分にさせて頂けます。」

 ヒサコさんというお名前のその女性は、「娘が大阪の実家にいます。」とお書きになっているのでご主人とも熟年のご夫婦といっていいかもしれない。昔、お茶を京都の或る女子大の茶道部で習い、結婚後もそのまま大切な趣味とされてきたという。

 写真が3点ほど添付されていた。裏千家・千玄室大宗匠がフィンランドの茶室披き記念講演会で講演されているッスナップは最新のニュースでもあり、私としてもことのほか嬉しい写真であった。

「ヘルシンキ市にある、フィンランディアホールで300名以上の観客が大宗匠のすばらしいお話に聴き入っていました。」
 お話によると、日本大使公邸ではハロネン大統領にも大宗匠はお茶を点てて差し上げられたという。その時の大統領のひとことが、じつに立派である。

 「春の味がする。」
 それがハロネン氏が一碗の茶を喫した際の、ことばであった。グリーンテイーのほろ苦い味。しかしその中に萌える植物である茶の葉の、春を感じ取られたものと思われる。
 それにしても、なんという詩的な感想であろうか!

 大統領と大宗匠のティーセレモニーのことは、次の日の新聞に大きく写真入りで掲載され、ニュースでも放送されたという。最近の日本人といえば、恥ずかしい援助交際や考えられないような殺人事件等が、ドイツなどでは日本の現実として報道され、在留邦人は肩身が狭いと聞くのである。

 そして、ヒサコさんは最後に、次のような言葉で結んでいる。
「海外で日本人を正しく理解してもらうことはとてもむずかしいのです。今回の大宗匠の来フィンをきっかけに日本人を正しく理解してくれるフィンランド人が増えるのではないかと、とてもありがたく思っています。」

 大宗匠の講演風景のスナップはPhotoBBSへ掲載することにして、ここには白夜の画像を出してみよう。夜の11時半、外はまだ明るくこれがヒサコさんが撮ったその夜の写真である。





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