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2004年8月 1日 (日)

台所にローズマリーの香り


 遅筆という言葉は最近聞かなくなったが、私はとにかく筆が遅いと思う。おっくうではなく、ウェブサイトにしても気が乗れば徹夜してでも書き終えるのだけれども、そうした気分になるまでは時間がかかるのである。noteブックもずいぶんおざなりになっていた。

 事務能力という点では手抜き主婦を長年やってきたこともあって、落第点がつくのは間違いなさそうだ。インターネットに関わるようになってからはITのノウハウを知らなければならず、独学であっても時間を食い、つい家の中の整理整頓はおざなりになる。

 そのため、知らず知らずのうちに周辺に犠牲を強いていた。家族のことは棚にあげても、庭の木の何本かを枯らしてしまったのが悔やまれる。30数年を経た杉の木2本、思い出ふかい柚子の木が枯れたのは、この夏の水不足と害虫のせいと何といっても私の無関心だった。

 その自己責任を思うとやりきれなくなる。それで思いついたのはいつかデパートで買ったままにしていたハーブ香だった。蚊取線香の匂いも時には変えなければとハーブエッセンスを焚くことにする。

 台所は私がもっとも居る時間が長い場所だ。流しを後ろにして置かれた木製テーブルには本や書類等やPCも置き、椅子の横には電話機を置いている。電話の台にしているのは昔組みひもを習っていた時に持っていた「丸台」だ。

 壁につけたこのちっぽけな香料スタンドが夜には豆電球のあかりになる。ローズマリーの香りが漂いはじめるとほっとして安らぐ私がいる。ノートパソコンに入れたCDからバイオリンの曲が流れる。

 ローズマリー、娘時代の私はローズマリークルーニーというアメリカの映画女優のファンだった。もう知っている人は少ないかも知れない。
 けれども、ハーブの中のこの花は、シソ香で地中海沿岸原産。語源はラテン語のros marinus(海のしずく)だという。その香りは東洋の香とまた違ったやさしさがある。

 今日の画像はわが家の台所の一隅、不出来の主婦を慰めてくれるローズマリーの明かりである。



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