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2005年2月 3日 (木)

ITとはいとおそろしげなるものなり


「ITとはいと面白げなるものかな。」 から 「ITとはいとおそろしげなるものなり。触らぬ神にたたりなしとぞきこえけむ。」 へと環境が激変したため、恐竜(稽古場便り)は絶滅いたしました。そしてそのあとには新しい世界が・・・・・・・。

 こう書いているのは、ネットのご縁から中宮寺山吹茶会で都合三日間お手伝いをしてくださった私の友人、松江市のviolettaさん。
 この1日から2日と彼女のウェブサイトでは大地震が起こった。というのは、彼女が管理運営するページ「稽古場便り」が急に閉鎖ということになったからだ。

 ことの起こりは、茶道雑誌『淡交』2月号巻頭に家元のIT批判の文言があったことのようだ。お家元の考えは、私もこれまでも宗家での道話などで存じ上げているが、宗旦さんの「稽古とは心に伝え目に伝え耳に伝えて一筆もなし」の侘びの境地と修道の在り方説かれたものである。

 IT、インターネットの世界は顔がみえず、なかなか当事者を特定できない。何をやっても解らないという処から茶道の伝物・許状にも配慮せず無責任な記事を載せ続ける人が実際にいるらしいのだ。こうした現状を憂慮され、混乱を避ける為に先ず原則を表明されたのだと私は考える。

 しかし、多くの師範の方々には突然の鶴の一声がズシンとこたえたのではなかろうか?violettaさんの師事している高齢の先生は、彼女の稽古場便りに対して急に苦言を呈されたという。そして師の心を汲んだ上は、丹精こめたそのページをただちに閉鎖したのであった。

 身につまされる話である。ITは諸刃の剣といえよう。しかし、師の教えを大切に残そうとして克明に記録し、故郷を離れたわが子へのメッセージと、自らの学習のために努力する人の意欲を摘み取ることにならなかっただろうか?

 今やITはなくてはならぬ時代である。ITを知らない多くの人々へはより謙虚にそれなりの気遣いを以って接しなければならないと思う。それと同時にITに純粋な熱意をもっている者にあらぬ誤解が生じるとするならば…それもまた残念なことである。

 今日の拙サイトトップページは雪をかむって咲く玉之浦の画像をUPしたが、雪のない晴れた日のおなじ椿の花をここには載せようと思う。
 オペラ『椿姫』のヒロイン・violettaに、イメージを重ねながら…。

 



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