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2005年3月16日 (水)

乗っ取り イギリスの日本寿司店


 ふたむかしも前のことになる。
 夫の在籍していたケンブリッジの大学へ私も夫を訪ね一夏を過ごしたことがある。ロンドンとケンブリッジと二つの町で食事した記憶は割合よく覚えている。

 日本料理を食べさせてくれる店は高級な感じで値段も高い。貧相な研究者の行くところといえば寿司の店、それも大衆向きの安い店だ。カウンターに腰かけて寿司職人に話しかけると自分は日本人ではない、と言う。

 聞けばコリアンだと笑顔で答えた。だんだん解ってきたのは日本人が経営している店はいつの間にか消えて、代わりにコリアン経営の店になって行くケースが多いということだった。朝鮮料理のスタミナたっぷりの焼肉に日本の寿司がメインである、こうした店はなかなか繁盛していた。

 さらに日本人の旅行代理店の人から興味ふかい話を聞かされた。日本人の経営する店が開店し客が集まるようになると決ってコリアンがすぐ近くに同じような店を開く。寿司も日本人が作っているのと同じように出すので客には全くわからない。

 しかし、いつの間にか元あった日本人の店はなくなるのが常だというのである。商売の競争に負けたことであろうが、客にとってはいい食事ができればいいので経営者のことまで詮索はしないのだ。

 最近のフジテレビとニッポン放送、対するライブドアの争いを見ていると私は昔自分が見聞きした短期間の海外生活の日々を思いおこすのである。
 企業買収は合法でとされているが、そのやり方に不信が増幅し今後の展開が泥沼化の様相を呈している。ホリエモンの考えに金儲けだけでないものを期待していた人々はどうやらその期待が幻想ではなかったかと思い始めるかもしれない。

 低迷したメデア界に電撃ショックを与えた勇気は評価していいのではないかと思う。しかし、挑戦者側が依頼していた弁護士が3人も辞任し、社員との信頼関係も実際はグレイであり、雇用は低賃金、オーナーのみ豪遊というのはどうも頂けない感じがする。

 果たして新たによりよきメデアを構築できるか、それは未知数である。若い人であっても実際にはきわめて旧い体質の人も多いし、できれば既存のメデアと和解の道を探り、日本のために双方でよきものを作り上げて欲しいというのが一般の視聴者の願いである。

 今日の画像は古い写真になるが我が家のねこ。かれは時として哲学しているような立派な表情をするのだ。




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