お彼岸の中日 おしょうじん 大魚と猫
ロイヤルコペンハーゲン 北欧の名門陶器として日本人にたいへん人気があります。もとは中国の染付けを学んで製作したものですが、王国の伝統と気品をもって独自の美を創り出しました。




タカシマヤで釘付けになったのは、大魚の作品です。色彩も形も見ていて飽きません。
折りしもお彼岸の中日です。
彼の岸まで力強く泳ぎきるかのような、北欧の大魚。
係りの方に撮影の許可を申し入れましたら、すぐ上司の方に聞きにいかれました。
笑顔で、「どうぞ、どうぞ。とっても嬉しいです。男性の方からお褒めの言葉をいただきましたが、女性の方は初めてですから。」とのこと。ありがとうございます!
猫はいない…、とつぶやきましたら、こちらにいますと、フランスのコーナーに案内してくださいました。タカシマヤのスタッフは本当に感じがいいですね。

ラリック作


猫に場所を移動してもらいました。
コペンハーゲンには魚はいても猫がいない。こんな大きい魚なら猫のほうが逃げていくでしょうね。でも、この魚はまことに由緒正しく、日本の皇室にも贈呈され大切に保管されているのでした。
宮内庁三の丸尚蔵館 ( 宮内庁ホームページより)
第36回展
展示作品リスト
平成17年1月8日(土)~2月27日(日)
January 8(sat.)-February 27(sun.), 2005
21
ジャンヌ・グリュー(原型)、
ロイヤル・コペンハーゲン磁器製作所
ブルー・フィッシュ (原題:Blue Fish-Coelacanth)
1971年頃
陶磁
昭和46年(1971)昭和天皇 香淳皇后ロイヤル・コペンハーゲン磁器製作所を ご訪問の折、同所より
Blue Fish
Royal Copenhagen Porcelain Manufactory,
original design by Jeanne Grut ca.1971; porcelain
1971, gift of Royal Copenhagen Porcelain Manufactory on visit there by Emperor Showa and Empress Kojun
ロイヤルコペンハーゲン社の解説によれば次のようになります。
『おおよそ3億5000万年前より生息していたと言われる「シーラカンス」は、化石の上のものとして、数千年前に恐竜と共に死滅したとされていました。しかし、1938年12月に南アフリカ東海岸でグーセン船長の魚網にかかった1尾がシーラカンスそのものでした。このシーラカンスは、学名を「ラティメリア・チャルムナイ・スミス」とつけられました。その名は、グーセン船長からラティマー女史、さらにスミス博士へと幻の魚を現実のものにしていった人達と捕獲場所チャルムナ河口沖に因んでいます。東アフリカ沖のコモロ諸島の人々の間では、古くからこれを「ゴンベッサ(幸運)」と呼び、幸福をもたらす縁起の良い魚だとの言い伝えがあります。彫塑家ジャンヌ・グリューは、このシーラカンスから強烈な印象を受け、青の釉(うわぐすり)を用いた陶器でこれを表現し、「ブルーフィッシュ」として発表しました。この作品は、素晴らしい未知のものに対するロマンを呼び起こします。1972年(昭和47)秋、昭和天皇・皇后陛下が訪欧された際、ロイヤル・コペンハーゲン社を見学され、記念としてこの「ブルーフィッシュ」と同じものが陛下に献上されました』。
◇
タカシマヤ・美術コーナーには、ガラスの猫がいました。れっきとしたフランス猫!
☆ ルネ・ラリック
アール・ヌーヴォー、アール・デコの両時代にわたって活躍した作家ですからご存知の方も多いでしょう。
ルネ・ラリック
ルネ・ラリック(René Lalique、 1860年4月6日 - 1945年5月5日)は、19世紀~20世紀のフランスのガラス工芸家、宝飾(ジュエリー)デザイナー。 出典: (Wikipedia)
「前半生はアール・ヌーヴォー様式の宝飾(ジュエリー)デザイナーとして活躍し、その分野で名声を得ていた。宝飾デザイナー時代から、ガラスをパーツに用いていたが、ガラス工場の経営者に転進するのは50歳を過ぎてからである。」
また、ルネ・ラリック と日本との結びつきをみてみましょう。
Link 箱根ラリック美術館
「ルネ・ラリック(1860-1945、フランス)が工芸作家として様々な技術や意匠を吸収していった19世紀後半、「ジャポニスム」と呼ばれる日本美術の影響が、フランスをはじめとするヨーロッパ各国を席巻していました。ラリックもまたジャポニスムから多くを学び取り、日本風のモチーフを使用するだけではなく、構図・視点などにも日本美術の妙を取りいれました。」
東京都庭園美術館(朝香宮[あさかのみや]邸)
この建物は1920年代から1930年代にかけてヨーロッパの装飾美術を席巻したアール・デコ様式を 現在に伝えるものです。フランス人デザイナーが、主要部分を設計、内部装飾もフランスをはじめとする 外国から輸入されたものが多用されています。
ルネ・ラリックは、朝香宮邸においては正面玄関ガラス・レリーフ扉、大客室と大食堂のシャンデリアを制作しています。
1925年のアール・デコの博覧会において、彼は自身のパビリオンをもち、その傍らに記念碑的なガラスの噴水を制作するなど、アール・デコのガラス工芸家としても活躍したのです。
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お彼岸の中日、わが家ではおしょうじんの献立です。精進と漢字変換が出るまでに時間がかかりました。
だって、「和尚人」って出たのですもの。たった一日だけで和尚人になれますでしょうか???
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