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2008年10月28日 (火)

京都漱石の會第2回研究会 嵯峨のしずかな竹林のなかで

(画像はクリックしていただくと大きくなります)

夏目漱石の人間と文学の顕彰と研究を目的に、スタートしました京都漱石の會。第2回目の例会がこの25日に開催。40人の集いとなりました。朝日の牧村健一郎氏も前回に引き続きご参加下さいました。

午前10時には全国各地から会員の方々が、会場となった嵯峨・嵐山の閑静な旧家へと参集されました。ここは織物会社のさる社長さんの別邸で、自然環境を大切にされ人工的に作りすぎない木造二階建のお住まいなのです。庭の彼方には、嵐山、小倉山、愛宕山となだらかな山なみが見え、庭にはしおらしい様々な茶花が名残りの趣を添えていました。細やかな心遣いでお世話くださった渡辺夫人は、西陣の織物産業を盛りたてるべく努力されている方です。

講師は元同志社大学教授の玉井敬之氏。演題は『虞美人草と漱石』、全国各地からお見えの方々のなかに、思いがけないお客さまがいらっしゃいました。漱石先生のお孫さんの半藤末利子氏!

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おひとりで新幹線に乗ってごくお気軽に、JR京都駅嵯峨野線に乗り換え、嵯峨嵐山駅にて下車。会場に無事お着きになりました。御主人の一利氏とお揃いのおしどり夫婦、売れっ子作家さんねと、どなたかが仰っておりました。

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先ずは茶室で私の点前で…、お若くてフレッシュな会員の方にすぐ交替していただきすぐこちらは引っ込みました。ありがたい助っ人はみなさんボランテアでやさしい心の持ち主ばかり。

午前の研究会は、漱石作品の朗読から。永年、朗読の奉仕活動をなさってきた会員の小野さんが味わいのある声で『虞美人草』の朗読をはじめました。漱石が京都を取材しそれを職業作家となった第一作として書いたのが、朝日新聞の連載小説『虞美人草』でした。

比叡山を登った路すがら山野草に目をとめた漱石は「日陰の蔓(ひかげのかずら)」のことにも触れています。そうした植物を自宅に栽培している会員がその蔓を持参され、注目を集めたようでした。

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私の『虞美人草』観を吉本隆明氏の著書を引用しつつ延べさせていただきました。次に自己紹介に移り、全員がそれぞれ率直な語らいで盛り上がりました。12時になり昼食、三友居の弁当は前回にひきつづき今回も好評のようでした。

午後の部は玉井敬之氏のご講演「虞美人草と漱石」。

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末利子氏はまじめな聴講生といった態度でした。この内容はいずれ次号の会報に掲載することになると思います。

京都漱石の會の会報『虞美人草』は今回、10月25日発行で24ページの濃い内容になっています。当日、巻頭文は元人事院総裁の内海倫氏の誠実さが伝わる名文です。会員には当日配布できましたが、誤植をみつけましたので、今刷り直してもらっているところです。

会報をご希望の方、会員になってみようとお思いになる方は、御遠慮なくお申し込みいただきますよう。今回発行のトップページと最終ページの1部分のみ画像でご紹介いたします。

会報『虞美人草』第2号目次 人間味あふれる・内海倫氏題字と巻頭文

第3回特別企画 半藤一利・松岡陽子マックレイン両氏による講演会

ご縁ある皆さま、どうぞご参加いただきますよう、お待ち申し上げます。

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コメント

京都漱石の会第2回研究会の様子拝見いたしました。とてもすばらしい会の雰囲気が感じられます。ご盛会でおめでとうございます。わびすけ先生のお点前のお写真も拝見できてうれしく思いました。会の益々のご発展を祈ります。
研究会を行うには色々の準備やお気遣いがあったと存じます。どうぞお疲れの出ませぬように。

投稿: さんご | 2008年11月 2日 (日) 23時03分

「京都漱石の會第2回研究会」がご盛会のうちに終わられたのですね、よかったぁ~、うれしぃ~です

お写真を拝見してびっくり、半藤末利子さんもおられます。
この会が格調高い会であると、改めて感じ入りました。

わびすけさんのお点前姿も美しく、会の華やかで厳粛な風とともに、とても印象的に残ります。
ありがとうございました。

投稿: 長井てつ子 | 2008年11月 1日 (土) 23時17分

雰囲気のある素晴らしい会場での京都漱石の會第2回研究会の和やかで楽しそうなご様子を拝見できましたこと、感謝いたします。半藤末利子さまもいらっしゃったのですね。
今回は残念ながら参加できませんでしたが、次回は是非に参りたいと思います。
ご盛会あめでとうございました。
どうぞお疲れの出ませんように。

投稿: 宗恵 | 2008年10月29日 (水) 10時37分

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