フランスのグリーンティーに 「緑茶香水」
グリーンティーの香水があるのをご存知でしょうか?香水……フランス製のオーデコロンなんです。
香水
友人のぼいやれさんが昨年と今年、フランスから送ってくれた包みの中に入っていました。箱には緑茶の新芽のような葉のイラストが描かれています。シュっとひと吹きすると、まあ、爽やかな香りが!
この「緑茶」は、フランスのイブロシェという会社の製品です。友人の話では「イブロシェは近年目立ってきた環境にやさしい・イメージの化粧品会社」だそうです。
その会社イブロシェとは。
http://www.yvesrocherusa.com/control/product/
~category_id=M00004-USA/~categoryFilterType=
ByFragrance/~categoryFilterBy=Fresh_Fragrances/
~product_id=09038
翻訳ではこんな感じになるようです。
「あなたの感覚を呼び覚ます 驚異的で、異国風な、きらめくような香りです。世界中の文化圏で長い間尊重されてきた 緑茶の持つ活性化の働きを捉えた現代的で光り輝くような香りはあなたを感覚の底からさわやかな活気で満たすことでしょう。」
いわゆる緑茶香水は他にもあります。このイブロシェは日本にはまだ入っていませんが、他の会社で輸入されているもので、エリザベスアーデンの「グリーンティー」があります。エリザベスアーデン社のPRがまた振るっています。日本で考えたものかもしれません。
「ニューヨークの女性たちを魅了し、人気を集めた 癒しの香り、グリーンティーは1999年に日本に上陸し、日本でも大ヒット!日本人になじみ深くさわやかで、安らぎを与えてくれる緑茶(グリーンティー)を含め、12種類の自然の素材をブレンドしています。」
フランスは文化を匂わせながら商売もなかなか上手ですね。
なんと、「サムライ」香水があれば、「サムライウーマン」も抜け目なく、作って売り出しました。それがあの2枚目俳優アランドロンが作った会社です。サムライウーマンって武士の奥さんですよね。この香水をつけたあなたは「彼」にいとも従順な女性になります?(笑)。はい、男性が女性にプレゼントするにはもってこいの一品かも。
友人のぼいやれさんは、チャーミングな日本女性でご主人はドイツ人科学者。こんなメールを送ってきました。
「イブロシェの「緑茶」は、いくつか試したなかではもっとも素直に(日本の)お茶の香りを追求していると感じました。同じラインの「竹」香水も日本的です。ただし、こちらはお寿司や竹筒羊羹などが連想されてしまうのが難点^^です。」
◇ ◇ ◇
緑茶
茶といえば、学名はカメリア・シネンシス、日本ではよく知られたツバキ科の常緑樹です。昔、茶のことをツバキといっていた地方があったのですが、ツバキ科ツバキ属(ツバキやサザンカと同じ仲間)なのですから誤りではないのです。
けれども緑茶は日本茶に限らず、中国やアジア全般、ヨーロッパで飲用されているもので、日本の緑色の茶というイメージとは違っています。「茶」の発音は「チャ」または「テ(ィー)」と呼ばれているのが世界共通であるのは面白いところです。茶道も裏千家では読みをチャドウと定義しています。
グリーンテイーというのに抹茶は最もふさわしい色のお茶ですが、番茶、ほうじ茶などは茶色です。日本茶の特色はみな同じ不発酵茶だということです。煎茶・深蒸し茶・玉露・手もみ茶・抹茶・番茶などは、蒸すという加熱で自然発酵を止めます。日本の製茶の99パーセントは蒸し製法で、その他が炒り製法です。
こうした日本茶の製茶法が中国のお茶とは違うということで、日本茶とあえて言うわけですね。 いっぽう、中国茶(中国のお茶)は、緑茶、青茶(ウーロン茶)、白茶、紅茶、黄茶、黒茶(プーアル茶)の6種類。紅茶は自然発酵したお茶です。加熱しないで発酵したもの。ウーロン茶は、半発酵茶です。途中で炒るという半加熱で発酵させたもの。
ここで、私が家人から聞いた体験談の覚書を少し……。京大大学院ドクターコースを経てインド政府のスカラシップでインドの大学で研究生活を送っていたその昔。「駅では、チャイ・ガラーンと呼び声を上げながら、茶を売る者が歩いていた。熱い茶が素焼きの陶器に入っていた。イギリスが中国から茶をもちこみ、茶園をセイロンやインドに作り、良い茶は本国へ、粗茶はアジアに売っていたのが根付いたのだ。」
こうしたことを聞いていた私は、緑茶のイメージがいわゆるグリーンでない茶色のお茶も含まれていると、受け取っていました。それでも、緑茶香水の香りはふるさとの癒しのように爽やかな余韻が感じられて、うれしいものでした。
ぼいやれご夫妻のこと
ぼいやれさんは私のサイトにも素適な作品をご投稿くださっています。編集者の私は彼女とのコラボレーションを楽しみました。
ご主人はドイツ人の科学者で現在はフランスの大学で教鞭をとられている方。正式にはCNRS(フランス国国立科学研究所)の研究員で身分はフランスの国家公務員扱いとのこと、東大客員研究員でもいらっしゃいました。
夏目漱石を訪ねるカメラさんぽ 漱石先生の楽しい欧州散歩
http://tsubaki.art.coocan.jp/sosekiwotazuneru11_naoko.html
2005/01/26 Wed 00:54 フランスからおくられてきた香水の名は 『緑茶』
http://tsubakiwabisuke.cocolog-nifty.com/rendezvous/
2005/01/index.html
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